彷徨う

 

絵の中を彷徨う。

 

色面の上を、線の上を、点の上を歩く。

 

歩いているうちに足元が草原になり、山になり、木になる。

 

見上げたその先には景色が見える。

 

そこを目指して歩き続ける。

 

歩きながらそこにあるべき絵を探す。

 

絵の中で絵を探す。

 

そこにあるべき色と形を探す。

 

ふとしたとき、あるべき色や形に出会う。

 

出会うことで、そこは空間になる。

 

その空間の中を出たり入ったりする。

 

私は絵の中を出入りする。